管理人の囁き 演奏記録へ戻る
早川りさことN響メンバーの愉快な素敵な仲間達 2006年3月22日 紀尾井ホール
・待ちに待ったこの日、りさこさんはグレーの可愛い衣装とスペシャルな髪型で登場。そして、ステージにはN響外枠組み(ハープと5台のコントラバスとマリンバ)と黒坂さんのコカリナが並んで、音楽史上、おそらく初めての編成の演奏が繰り広げられました。
・近年、りさこさんとよく演奏している竹島悟史さん、池松宏さん、友情出演の黒坂黒太郎さんが一堂に会するとともに、一昨年のNHK-FM N響広場で熱演したN響コントラバス5人組(池松宏、吉田秀、今野京、西山真二、佐川裕昭の諸氏)が合体してのコラボレーション。
・息の合った名手たちが集まって企画し、演奏すると、こうも美しく、楽しいステージになるのかと、場内を感嘆させたこの夜の演奏。なかでも、りさこさんのお父様の指揮者早川正昭さんが編曲されたロドリーゴの恋のアランフェスは、ため息の出る美しい演奏でした。
・ハープソロのグリーディの古いソルチコは、りさこさんが昔、盛んに弾いていた、まさに古く懐かしい曲。場内静まり返って聴いておりました。
・曲ごとにハープとコントラバス、マリンバ、コカリナが自在に組み合わさり、ドヴォルジャークからラヴェルまで1曲1曲が忘れがたい演奏でした。
中越地震被災者支援活動に取り組んでいる黒坂さんのコカリナも、コントラバスの重厚な響きを得て、澄んだ音色が一層、冴え渡っていました。
・そして、コントラバスの面々、池松さんのラテンの血が影響したか、N響広場の時に増して「見せる演奏」を熱演してくれました。映画音楽メドレーでは全員サングラスで決めて登場し、八木節ならぬ山羊節では、吉田さんが山羊の扮装で現れるなど、楽しさいっぱい。竹島さんもコントラバスをパーカッション代わりに大熱演。
・いつまでも鳴り止まない拍手に応えて、最後のアンコール2曲は、N響を離れニュージーランドの新天地に旅立つ池松さんを中心に演奏するという、N響仲間の心づくし。
・熱演に次ぐ熱演で、2時間半に及んだ演奏会。きっと満場のお客様も、楽しく堪能されたことと思います。

・私の短歌を載せているブログに載せた、この夜詠んだ一首をここに。
N響の名手集える春の宵 ハープ一際幸せに聴く
http://blog.zmapple.com/user/tsukitaro/tsukitaro/
短歌帖「月の竪琴」
2005NHK紅白歌合戦 2005年12月31日 NHKホール
・「思い出を越えられる明日」「明日は新しいわたしがはじまる」。平原綾香さんの柔らかい歌声の中で、私は特にこれらの詞が心に残りました(作詞:松井五郎)。
・2005年の最後に、いい歌を聴いたと思います。曲(アンドレ・ギャニオン)、詞、歌い手がマッチしたこの美しい曲を、さらに盛り上げたのは、早川・池松デュオの弦の響きだったと言えましょう。紅白を変えようというNHKの試みが、ここにも現れていたいう気がします。
・次の紅白ではハープの伴奏で演歌の絶唱か?
りさこさんは以前、NHKの番組で天童よしみさんが歌う「古城」の伴奏を務めています。あながち、無い企画とは言えますまい。
・つらい思い出はいつまでも抱きしめないで、宇宙へ還していくことによって新しい私を始めることができる。素晴らしいメッセージでした。
女子パウロ会 クリスマス朗読会「アンデルセン・アラカルト」 2005年12月17日 聖パウロ女子修道会
・朗読の飯島晶子さんが風邪で急遽降板されましたが、河崎早春さん(ロバの会)の代読で無事、盛況のうちに終わりました。
・「赤いくつ」は、この朗読のために作曲されたMITSUHIROさんの美しくドラマティックな曲を、りさこさんが見事に表現して、印象深い上演となりました。
・アンデルセンのこのメルヒェンは、一見残酷で恐ろしい物語に見えますが、魂が高みに向けて大きく飛翔するとき、その前には必ず過酷な試練が訪れるというスピリチュアルな真理を伝えているのでしょう。ヨーロッパで、ハープは魂に語りかける特別な楽器として重視されてきましたが、この日の聖堂での演奏は、まさにその形を示すものでした。
・デンマークにも招かれたアンデルセン落語の桂扇生師匠は「はだかの王様」を殿様仕立てにして熱演され、「絵のない絵本」の朗読には子供たちも一所懸命参加して、素敵なクリスマスとなりました。
Music Tomorrow 2005 2005年6月17日 東京オペラシティコンサートホール 
・りさこさんは、2曲目の「ソプラノ、ハープ、オーケストラのための“地上の平和”」(作曲:国枝春恵)に出演。第2次世界大戦並びに太平洋戦争終結から60年。しかし、その後も今日まで戦火と憎しみの絶えること無い世界に向けて、佐竹由美さんが8か国語を駆使して歌い上げる平和の祈り(歌詞が判らなかったので多分)と、りさこさんの力強く宇宙に放たれる光の響き。りさこさんは気合十分。気迫に満ちた演奏を聴かせてくれました。
・この夜のりさこさんは、髪型も衣装もお化粧もソリスト仕様で輝いていましたが、私は見とれつつも思わず目を閉じて、祈りの世界に引き込まれていきました。テレビ放映が楽しみです。
・この夜の演目は、他に2曲。
・1曲目は「クラウド・ナイン」(作曲:望月京)・・・宇宙の基本は三角形であると喝破した数学者にて未来科学者、環境建築家等々のバックミンスター・フラー(1951年に「宇宙船地球号」という概念を提唱)の三角形の張力による球体空中浮遊都市都市デザイン、クラウドから着想を得て、ホールの内外各所に「分離」したオーケストラが、互いに引き合いながら融合していくスーパーサラウンドの音づくり。ステージ上の音とあいまって、様々な楽器の音が遠くから、はたまた頭上から、強くあるいはかすかに響いてくる感じが印象的でした。
・3曲目は「紙楽器のための協奏曲」(作曲:タン・ドゥン)・・・紙は楽器になる。大小様々な紙を20種の楽器に変身させて、風を起こし、響きを解き放ちながら、舞台狭しと駆け巡る3人の美天使とオーケストラが織り成すスペクタクル。これは、見るしかありません。時折後ろに腕を突き出したり、振り向いたりして合図を送りながらの、熱気みなぎるタン・ドゥン氏の指揮も見ものです。変幻自在の紙楽器、見ているこちらも、アジアの血が騒ぎ出しました。
あれあれ、ビオラがあんなことを。コンマスの堀さんの姿は何処に?これもテレビでのお楽しみ。
N響メンバーによるハープとマリンバの夕べ 2005年5月21日 青嶋ホール(静岡市葵区)
・連日、練習と本番に明け暮れているりさこさんですが、次々と続く各地での演奏に力いっぱい取り組んでいます。静岡から夜更けに帰ってきて、翌日は朝からN響定期の練習です。
・竹島さんの書き下ろし新曲「The songs of night」、次に聴けるのは7月24日の芦屋アマックホール、そして8月6日の軽井沢大賀ホールと8月7日の北軽井沢ホテルクリオコート、あれっ、私が東京で聴けるのは当分先か。
NHK-FM名曲リサイタル公開収録 2005年5月19日 NHK509スタジオ
・あちらこちらでりさこさんとよくデュオを組む、東フィル首席の金木博幸さんとの演奏。お二人の演奏を聴くことの多い管理人子も、この夜の演奏は一際印象深いものがありました。
・同じ曲でも演奏の度に違う雰囲気を醸し出す金木さん、今回はゆったりとした重厚感、といっても重苦しくならず、瞑想的に聴く者の心に染み込んでくる演奏だったように思います。おなじみの「鳥の歌」や「コル・ニドライ」も、新しい色彩が感じられ、新鮮でした。
・共演を重ねて息の合ったお二人だからこそできる、互いに相手の歌い方に応じて自在に演奏を繰り広げていくお二人の演奏は、ハープとチェロという楽器の組み合わせとあいまって、優しく力強く心地よい磁場を創り出しておりました。
・インタビューでりさこさんは「チェロのロングトーンの音が、ハープの共鳴板に伝わって響きあう音を消さないように気をつけている」と語っていましたが、会場を唸らせた美しい音のハーモニーの影には、こんな見えない努力もあったのです。そのためにはハープの実に微妙で精密なチューニングが必要なのですが、りさこさんは単にハープを正確にチューニングするだけでなく(47本の弦のチューニング、それだけでもハーピストは大変なのですが)、演奏相手の音や楽器の特性も考慮して、最もいい音が出るように細かいチューニングをしているのです。
・りさこさんが1曲ごとに全身全霊で演奏に没入していく様子は、音の響きばかりでなく表情の繊細な変化にもよく現れていて、これがラジオなのがまことに残念!りさこさんの演奏姿を見慣れている管理人子も目を見張り、見とれておりました。
・ラジオでの放送は6月11日(土)NHK-FM午前9時から10時57分です。これは必聴ものですよ。
・後半は大岩千穂さんのソプラノ独唱(ピアノ:村上尊志さん)、オペラの名曲の数々が圧倒的な声量と迫力、そして繊細さで表現されて、これまた素晴らしかったですよ。
・ウィンブルドンを目指していたテニス少女は、如何にして世界的歌い手となったか、ご本人がさらりと語ったその秘密、これはすごかった。一瞬のビジョンが運命を変える。詳しくは放送で。演奏家たちの個性が垣間見えるインタビューも、この番組の魅力です。
・そして、りさこさんが夜な夜なひたる恍惚のひと時とは?
グランドハープとコカリナのコンサート 2005年3月2日 カザルスホール
・コカリナとは樹で作られたオカリナ、その澄んだ美しい音色は山の中を何処までも何処までも渡って行くような気がします。人の心を豊かに広げていくハープの音色と、ソプラノ・アルト・バス・三連、さらには広島の被爆樹で作ったもの等色々な種類のコカリナを奏でる黒坂さんの演奏、そして矢口さんの暖かいヴォーカルによるこの夜の演奏会は、満員のお客様とともに優しい波動に満ちたものとなりました。
・ハープソロの名曲「ひき潮」から始まった盛り沢山のプログラムの中でも、圧巻はコカリナとハープによる「チャルダッシュ」。この速い曲を掌に入る小さな笛(音を作る穴が小さく、少ないので運指が大変)で演奏する様は、聴き応え、見応え十分でした。この夜が初めての演奏だそうですが、是非、次回のCDに入れて欲しいものです。
・早川さんのソロは「ひき潮」のほかにもう一曲、おなじみのサルツェド作曲の「夜の歌」(頭と終わりに夜の静けさを思わせる空白の小節が入っています)。やわらかく美しい音色が響き渡りました。
・被災地に向けて優しさを奏でる演奏会は、奴隷船の船長だった人物が、難破した折に自分の運んでいた奴隷に助けられ、己が罪を悔いて造ったと伝えられる「アメージンググレース」の祈りの調べで締めくくられました。
中越音楽支援プロジェクトでは、CD「明日は味方」とCDラジカセを、直接中越の被災者の皆さんに届けておられるそうです。被災地の子供たちが夜なかなか寝つけない、夜中に怯えて目を覚ます、といったお話も演奏会の中で伝えられました。そんな子供たちが、このCDを聴いて眠りにつきやすくなったというお手紙も。なかには、1曲目の「ひき潮」で寝入った子供もいたそうです。
・「中越被災地に思いを寄せて 東京・新潟連続」と銘打たれたこのコンサート、次は3月6日(日)午後2時、新潟市りゅーとぴあ能楽堂で開催されます。
NHK−FM N響広場     2004年11月15日 NHK505スタジオ
・早川さんとよく協演するN響仲間の池松宏さん、竹島悟史さんに加えてコントラバスの面々(吉田秀さん、今野京さん、西山真二さん、佐川裕昭さん)が、作家の新井満さん、司会の山田美也子さんと共に繰り広げた堂々3時間の演奏とお話のライヴショー!
・演奏を脇から見ていた新井さんは「演奏しているハーピストの背中から、段々天使の羽が生えてきた」と絶賛。
・ラヴェルのソナチネをハープで演奏する、これは聴きものですが、あのピアノならではの流れる音の色彩をハープで演奏するのは、さぞや大変なのでは?竹島さんの編曲と早川さんの演奏は、このチャレンジを見事達成しました。(ポンセのエストレリータも、ハープは大変だったらしい)
・新井満さんは「千の風になって」を訳された背景をしっとりとお話され、さらに自らマイクを取って熱唱されました。いい詞です。
・ラジオでは残念ながら見れませんが、新井さんはサティさながらのダンディな黒尽くめの出で立ちで出演していらっしゃいます。
・コントラバスが4台、5台と並んで掛け合い演奏を繰り広げるのは、圧巻でした。皆さんの表情や掛け声もノリノリで、ラジオでも、この雰囲気は伝わると思います。
・3時間の長丁場が瞬く間に過ぎていったのは、司会の山田美也子さんの軽妙でセンスのある語り口に負うところも大きかったと思います。出演者とのやりとりを是非、お楽しみください。山田さんに「もてますか?」と訊かれて、池松さんは何と答えたか(爆)
・そして最後は全員の演奏で、再びラヴェル作曲竹島さん編曲による「ラ・ヴァルス」。華やかな演奏で一気にフィナーレを迎えました。
・放送は12/5(日)の午後3時から6時です。滅多に聴けないこのプログラム。どうぞお聴き逃しなく!
リクライニング・コンサート・シリーズ 第11回コントラバスの日 池松宏 低音の魅力!  2004年10月22日 白寿ホール
・N響の「外枠」仲間、池松宏さんとのデュオ。
・すでに何度もデュオ演奏をして息の合った2人の演奏でしたが、この日の特筆ものは川島素晴作曲の現代曲、コントラバスソロの「パgani蟹」。特殊奏法で弾くだけでなく、はじく、こする、叩く、しかも指で拳で掌で、とコントラバスで出せる様々な音を出し、なおかつ表情、仕草、台詞を含む総合パフォーマンス演奏。蟹まで登場してパガニーニもびっくりの変奏曲でした。
・もう一つの聴きものは、ショスタコーヴィチの「アダージョ」。元はチェロのための曲だけれど、チェロ奏者も知らない幻の曲。美しい曲でした。
・2つのアヴェ・マリア、クリスマスには早いと思ったら、どうやら来年(!)のクリスマス用に、CD収録するらしい。
・アンコールには、池松さんが楽器も持たずにハマッタという「冬のソナタメドレー」も。
・バッハからピアソラ、ショスタコーヴィチ、そして悶絶技巧のpganigani等々、1時間のうちに盛り沢山、サービスいっぱいの演奏会でした。
・会場のHakujuHallは、音がやはらかく、いい感じに響き、「爪弾く楽器に最適!」と早川さんも感心していました。
・しかも、このホール、後の方の席はリクライニングシートで聴けます。背もたれを倒して夢見心地で聴くのも、いいものです。
モーツァルト「フルートとハープのための協奏曲」(日フィルサンデーコンサート)2004年10月11日 東京芸術劇場
指揮のハマー・ジョルトさん、ゲスト・コンサートマスターのイェーノ・コッパンディさんともにハンガリー人という異色のコンビで行われたこの日のコンサート。
モーツァルトが大好きというジョルトさんだけあって、リハーサルにはことのほか時間をかけたそうです。(オケの皆さんは大変だったらしい)
その甲斐あって、日フィルとソリスト達の軽やかな演奏は、何時にも増して「幸せいっぱい」の波動を放射していました。これは単なる形容ではなく、実際に管理人子はこの日の夜、幸せな感覚とともに意識が宇宙に向かって広がっていくという体験をしています。音楽は、時に思わぬ形で、人間の深い所の感覚を呼び覚ます力を持っています。
フルートの高木綾子さんも、しっかりとした演奏の中に深い情熱を感じさせ、これからがますます楽しみです。
早川さんはこれまでもこの曲で、工藤重典さん、佐久間由美子さん、大嶋義実さん等々、多くの名手と協演していますが、また1人、良き相手が増えたのではないかと思います。
演奏後の満場の大拍手が、演奏の成功を物語っていました。
この日の演目は他にシューベルトの「未完成」とベートーヴェンの「運命」。ジョルトさんのベートーヴェンはテンポが速く、いやが上にもこの曲の高揚感を盛り上げていました。ハマー・ジョルト(ジョルト・ハマー)、この人の指揮は一聴一見(ルックスもイケメンともっぱらの評判。チラシの写真より男前です。)に値します。
アンコールはモーツアルト好きのジョルトさんらしく、「フィガロの結婚 序曲」。
NHK-FM名曲リサイタル       2004年8月19日 NHK509スタジオ
ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団の首席オーボエ奏者の渡辺克也さんとの共演で、珠玉の名曲の数々を演奏。早川さんは何時にもまして、繊細な表情で音の一つひとつに生命を吹き込んでいました(特にサティの作品)。ラジオなので、表情が見えないのが残念!
オーボエとハープという珍しい組み合わせでしたが、花と竜の如く、互いの個性が相乗するなかなか相性のいい音色でした。
この日の後半は長谷川陽子さんと仲道祐子さんの出演。エネルギッシュな長谷川さんの演奏と溢れるトークも聴きものです。
洗練された青沼郁夫アナウンサーとコンポーザーピアニストの加羽沢美濃さんの司会でと相まって、大いに盛り上がったリサイタルでした。これが無料(要葉書応募)で聴けるとは、大変お得!
出演者の皆さんのトークも盛り沢山でしたが、早川さんの演奏旅行必須アイテムは、「お灸のセット」だそうです。詳しくは9/11朝9時からの放送をお聴きください。
至福の夜 祈り、それともセレナーデ       2004年5月26日 サントリー小ホール
パーセルの「もし音楽が愛の糧ならば」から始まって、ヘンデルの「私を泣かせてください」(御存知牡丹と薔薇)まで、オペラの名曲が続き、会場が陶酔に包まれたところで、国枝春恵さんの「セレナーデ ソプラノとハープのための」の登場。定家の和歌が幽玄なハープの響きの中で謡われ、客席は新たな印象に引き込まれる。ハープの特性を知るこの作曲家は、ハープの響きをよく日本の美に調和させ、ハープと和歌が本来持っている音霊の世界へと聴く者を誘う。
この曲の導入と終焉で、佐竹由美さんは客席に背を向けて佇み、プログラムの進行にメリハリをつけたが、彼岸の世界とこの世を融合し、また分離するかのようで、極めて心に残る演出だった。
前半の最後は石黒晶さんの「三つの沖縄の歌」。琉球ならではのリズムと胸迫る歌詞で盛り上がりました。「命のある間は 問い合い(たより)をしましょう ンゾナリムヌ ヨ(愛する人よ)」(ションカネより)
プログラム後半のはじめは佐竹さんの歌うグノー、カッチーニ、マスカーニの各アヴェ・マリアを、N響3人が1人ずつ受け持つという趣向。
そしてベッリーニの「おお、いくたびか」を経て、最後は全員でドニゼッティの「ルチア」より狂乱の場へと一気呵成に走り込む。
アンコールの最後はパーセルの「夕べの賛歌」で美しく締めくくられ、聴いてよし、観てよしの工夫を凝らしたプログラムでした。
数年前に早川さんと佐竹さんが出会った時から暖められていた企画だそうで、名手たちの協演とあいまって、一夜限りの名舞台となりました。
曲のほとんどは竹島悟史さんの編曲によるそうです。ご苦労様でした。
薫風にのせて〜木の笛とハープの響き〜  2004年5月15日 La Lyre(東京茗荷谷)
元の教育大学の跡地が公園になっており、その公園に面した住宅街に佇むサロン。なかなかメディアに取り上げられることはありませんが、いい音楽を身近に感じることのできる音楽サロンは、実は結構各地にあるのです。
楽器も演奏家も手の届きそうな近くにあって、演奏を丸ごと吸収できます。
トークを交えた演奏は、サロンの醍醐味。ワインサービス付でした。
決してポピュラーではないが味わいのある曲をじっくりと聴くことのできる、このようなコンサートが広がっていってほしいものです。
春を呼ぶコンサート        2004年2月15日 いちかわ西洋館倶楽部
平和を祈り、その想いを音楽に託す。そんな方々(春を呼ぶコンサート実行委員会)の主催で行われた、この春のコンサートは満員の大盛況。
歴史を見守る西洋館倶楽部の建物とあいまって、新しい時代の息吹に包まれたコンサートでした。
曲もイベールの間奏曲やドップラーの田園幻想曲、アンドレの聖堂の入り口、ジェナンのベニスの謝肉祭等、ハープとフルートならではの名曲がいっぱいでした。
最後の曲、盲目の作曲家バージスの「シチリアーノ」も物静かで美しいいい曲でした。
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